あなたは、食品を選ぶ時、国産なのか外国産なのかについて気にするタイプですか?
そして、カット野菜が、どこの野菜を使って作られているのか気になったことはありませんか?
カット野菜は、産地表示が必要な食品です。
そして、カット野菜の中には国内で作られた野菜を使っているものもあれば、海外で作られた野菜を使っているものもあります。
このため、国産野菜を使ったカット野菜を選びたければ、ラベルに書かれている産地表示を確認することをおすすめしますが、カット野菜の産地表示を見るだけでは解決できないケースもあります。
というのも、カット野菜には例外的に産地表示をしなくてもいいケースがあるからなんです。
あなたが健康のためや野菜不足解消のために、カット野菜を食べようと考えているのであれば、カット野菜の産地表示に関する知識を深め、賢くカット野菜を選びたいですよね。
というわけで、今回は、カット野菜の産地表示に関する情報や、カット野菜の中に産地表示をしなくてもいいものが存在する理由について、分かりやすくご紹介していきます。
次に、お買い物に出かける時、今までとは違った賢い食材選びができるようになるためにも、これからご紹介する産地表示に関する情報を、しっかりとチェックしてくださいね。
1.食品の産地表示のルール
カット野菜を含む、すべての食品に関する産地表示に関するルールは消費者庁が管轄する「食品表示法」によって定められています。
そして、食品の産地表示に関するルールは、生鮮食品と加工食品によって多少異なります。
1-1.生鮮食品とは
生鮮食品とは、野菜や果物などの農産物、肉や卵などの畜産物、魚や貝などの水産物のことで、新たな特性を生み出すような加工がされていないものをいいます。
1-1-1.生鮮食品の産地表示ルールとは
飲食店などで直接食品を提供する場合など一部の例外を除き、生鮮食品には産地表示が義務付けされています。
具体的な産地としては、国産品の場合には都道府県名を記載し、輸入品の場合には原産国名を記載します。
都道府県名の記載に関しては、市町村名その他一般に知られている地名を原産地として記載することも可能です。
そして、輸入品についても、一般に知られている地名を原産地として記載することができます。
1-2.加工食品とは
加工食品とは、食材を使用してもともとの食材とは異なる新しい食品を作り出したり、食材を加工して食品の特性や本質は維持したまま、新しい特性を付加するものをいいます。
1-2-1.加工食品の産地表示ルールとは
加工食品には、産地表示が義務付けられているものとそうでないものがあります。
そして、産地表示が必要な加工食品については、消費者庁による加工食品品質表示基準にて明確に定められています。
産地表示の基本的な考え方は、生鮮食品と同じですが、加工食品は生鮮食品と異なり複数の原材料を組み合わせて作られているケースが多いため、どの原材料がどこの産地であるのかが明確にわかるように表示することが義務付けられています。
また、2カ国以上の原材料を混合した場合は、原材料に占める重量の割合が多いものから順に原産国名を記載することと決められています。
2.カット野菜は生鮮食品、加工食品どちらなの?
では、生鮮食品である野菜をカットしたカット野菜は、生鮮食品と加工食品どちらになるんでしょう。
じつは、カット野菜の中でも、種類によって生鮮食品になるケースもあれば、加工食品になるケースもあるんです。
2-1.生鮮食品となるカット野菜
千切りキャベツなど、単一の野菜をカットした野菜は生鮮食品に分類されます。
このため。単一の野菜をカットした野菜は、生鮮食品品質表示基準に従って名称、原産地を表示する必要があります。
2-2.加工食品となるカット野菜
ミックス野菜など、複数の野菜を混ぜ合わせたものは、加工食品に分類されます。
そして、ミックス野菜は加工食品の中でも、産地表示義務がある食品に該当します。
このため、加工食品に分類されるカット野菜は、生鮮食品となるカット野菜と同様に名称、原産地を表示する必要があります。
2-3.カット野菜を殺菌洗浄した場合は加工食品になるの?
オゾン水や次亜塩素酸ソーダ水によるカット野菜の殺菌洗浄方法は、加工食品の定義である「新しい食品」や「新しい特性」に変化する行為には該当しないと考えられています。
■参考:カット野菜はなぜ変色しない?野菜の殺菌消毒に関する得する話
このため、生鮮食品である単一の野菜をカットした野菜を殺菌洗浄したとしても、加工食品にはなりません。
3.産地表示しなくても許されるカット野菜とは
生鮮食品であれ加工食品であれ、カット野菜は産地表示が必要な食品です。
しかし、以下のようなケースについては、産地表示ナシのままスーパーやコンビニの店頭に並べ販売することが許されています。
3-1.重量割合が50パーセント以上を占める野菜がないケース
多種類の野菜がバランスよく混ぜられているミックスのカット野菜の中には、ひとつの野菜の重量が全重量の50パーセントに満たないケースがあります。(例:キャベツ40パーセント、タマネギ30パーセント、ニンジン10パーセント、パプリカ10パーセント、ニラ5パーセント、キクラゲ5パーセント)
そして、現在の産地表示のルールでは、このように50パーセントを超える原材料がないケースについては、産地表示の必要はないと判断されています。
ただし、消費者庁では、産地表示の必要はない場合でも、任意で産地を表示することが望ましいという見解を出しています。
3-2.重量割合が50パーセント未満の野菜
カット野菜において、70パーセントのキャベツと30パーセントのニンジンを組み合わせたミックス野菜があった場合、キャベツは産地表示の対象となりますが、ニンジンは産地表示の対象にはなりません。
このため、たとえ商品ラベルに産地表示がされていたとしても、50パーセント未満の野菜についてはどこで作られた野菜なのか分からないため注意が必要です。
4.まとめ
いかがでしたか?
カット野菜の産地表示は、多くのケースにおいて確認することができることが、お分かりいただけたはずです。
そして、ミックス野菜の産地表示については、例外が認められるケースがあるため、特に注意が必要なこともご理解いただけたはずです。
「カット野菜がどこの野菜で作られているのかについて知りたい」という気持ちは、食品の安全性について真剣に考えていれば当然のことですし、カット野菜を選ぶ上で重要な判断材料にもなります。
だからこそ、健康について意識の高いあなたが、産地についてこだわらなかったり、産地表示を確認しないのは、本当にもったいないことです。
くれぐれも「ただ野菜を食べればいい」という低い次元でカット野菜を選ぶことに無いように、今回ご紹介した産地表示に関する情報を賢く利用して、健康的で心も体も満たされる食生活を楽しんでくださいね。