あなたは、食品添加物なしの食生活をすることは可能だと思いますか?
無添加食品だけを選んで食べていれば、食品添加物なしの食生活が可能だと思っていませんか?
じつは、食品添加物なしの食生活を実現することは、とっても難しいことなんです。
そして、無添加食品だけを選んでいたとしても、知らず知らずの間に食品添加物を身体に摂り入れてしまっている可能性があるのが現実なんです。
そこで今回は、そんな食品添加物の現状を把握しつつ、食品添加物を避けたり減らしたりする方法をご紹介します。
食品添加物との付き合い方に迷っている人は、今回の記事を参考にして、食品添加物ゼロではなく「ほど良い」付き合い方を見つけてくださいね。
目次
1.食品添加物を取らないはずなのに食べてしまう原因とは?
「無添加食品を選んでいるはずなのに、食品添加物を摂り入れてしまっている可能性がある?」
私たちの身の回りではこんなショッキングな出来事が当たり前にように起こっていますが、その事実に気が付いている人は決して多くありません。
そして、こんなショッキングな出来事が起こってしまう原因としては、以下のような理由が挙げられます。
- 添加物のキャリーオーバー
- 添加物には表示免除できるものがある
- ラベル表示のカラクリ
では、それぞれの原因について、くわしく説明していきます。
1-1.添加物のキャリーオーバー
キャリーオーバーとは、
- 原材料を製造するときには使われるが、その原材料を用いて製造する食品には使われない
- 出来上がった食品には、原材料から持ち越された食品添加物が、効果を発揮することができる量より少ない量しか含まれていない
という2つの条件を満たしている食品添加物のことをいいます。
つまり、材料に含まれている食品添加物は、少量であれば表示しなくてもよいということなんです。
具体例としては、せんべいと作る際にしょう油に含まれている保存料や、菓子パンを作る際にマーガリンに含まれている酸化防止剤などがあげられます。
そして、キャリーオーバーに該当する食品添加物は、卵、乳、小麦、そば、落花生、えび、かにから作られた食品添加物など一部を除き、食品添加物としての表示を省略することが許されています。
つまり、「無添加」と表示されている食品の中にも、キャリーオーバーによって食品添加物が含まれている可能性は否定できないんです。
1-2.食品添加物には表示免除できるものがある
私たちが普段手にしている食品の中には、キャリーオーバーの他にも、食品添加物の表示が免除されている食品があります。
- 加工助剤
- ばら売り
- 栄養強化の目的で使用されるもの
つまり、表示が免除されているこれらの食品添加物は、確認する術がない以上、避けようと思っても避けられないのが現実なんです。
1-2-1.加工助剤
加工助剤とは、食品と作る際使用される食品添加物の中でも、最終製品になる前に除去されてしまったり、たとえ残っていたとしても微量なものをいいます。
つまり、最終的な食品に大きな影響を及ぼさないと考えられる食品添加物は、たとえ製造工程で使われていても表示する義務はないのです。
具体例としては、みかんの缶詰を作る際、皮を溶かすために使われる塩酸や、パンを作る際、膨らみ方や食感をよくするために使われる臭素酸カリウム、砂糖を作る際に使われるイオン交換樹脂、水酸化カルシウム、活性炭などがあげられます。
1-2-2.ばら売り
トレイの載せて販売されているパンやコロッケなど、店内で製造し店頭でばら売りや量り売りしている食品も、食品添加物の表示が免除されています。
つまり、ばら売りされている食品については、食品添加物が含まれているかどうかについては確実に確認する術がないんです。
ばら売りや量り売りでも、パッケージされていれば通常の食品と同様に食品添加物の表示義務は発生しますが、詰め放題などの販売方法では、その限りではありません。
なお、例外として、防かび剤として使用されるイマザリル、オルトフェニルフェノール、ジフェニル、チアベンダゾール及びフルジオキソニル、甘味料のサッカリン及びサッカリンナトリウムについては、バラ売りや量り売りであっても使用している食品添加物の表示が義務付けられています。
1-2-3.栄養強化の目的で使用されるもの
食品の中に添加物が含まれていたとしても、添加物の使用目的が「栄養強化」の場合には、食品添加物の表示が免除されています。
栄養強化を目的に使用される食品添加物としては、ビタミン類(L-アスコルビン酸、エルゴカルシフェロール、β-カロテンなど)、ミネラル類(亜鉛塩類、塩化カルシウム、塩化第二鉄など)、アミノ酸類(L-アスパラギン酸ナトリウム、DL-アラニン、L-イソロイシンなど)があげられます。
ただし、栄養強化を目的に使用される食品添加物だからといって、栄養強化以外の影響が体に及ぼさないわけではありません。
つまり、影響強化を目的としている食品添加物の中には、L-アスコルビン酸など、酸化防止剤としての効果があるものも含まれている添加物もあるんです。
同じ食品添加物でも、酸化防止剤として使用する場合には表示義務がありますが、栄養強化を目的とする場合には表示が免除される現実、あなたはどう思いますか?
なお、健康増進法の栄養成分表示ルールに従って強化した成分名、含有量などについては、栄養強化を目的ちした添加物であっても、表示する必要があることも覚えておいてください。
1-3.ラベル表示のカラクリ
本来、食品のラベルの表示されている原材料名には、使用されているすべての食品および添加物が記載されなければいけませんが、現実的には、さまざまな表示のカラクリが存在します。
1-3-1.一括表示によるカラクリ
食品添加物は、同じ使用目的の成分が複数入っている場合には、食品添加物をまとめて一括名で表示することができます。
たとえば、クエン酸、フマル酸、重合リン酸塩など複数の成分が配合されているph調整剤は、ラベル表示を見ただけでは、具体的な添加物名を把握することができないため、知らず知らずの間に多数の食品添加物を摂取している可能性も考えられます。
1-3-2.「保存料は使用していません」のカラクリ
「保存料は使用していません」というラベル表示は、食品添加物が含まれていないように解釈してしまいがちですが、見方を変えれば、保存料以外の食品添加物を使用していると解釈することもできます。
また、パッケージには、大きく「無添加」と表記があっても、ラベルのすみの方に小さく「香料・砂糖・食塩無添加」「保存料無添加」と書いてある食品もあります。
つまり、無添加表示には行政で定められたルールはなく、作り手の言葉遊びによる表現が許されているのが現実なんです。
1-3-3.パッケージの大きさによるカラクリ
厚生労働省が所管する食品衛生法では、飴やひと口サイズのお菓子など、パッケージが小さい場合(30平方センチ以下)は原材料を記載しなくてよいことになっています。
つまり、パッケージが小さい食品は、どれだけ食品添加物が含まれていたとしても、食品を口にする私たちが見分ける術はほとんどゼロに等しいのです。
スポンサーリンク
2.なぜ、食品添加物は食べない方がよいのか?
一般的に、食品添加物は過剰に摂取しなければ体に影響がほとんどないと考えれています。
そして、現在流通している食品に使われている食品添加物は、ADIと呼ばれる「1kgあたり、1日に〇〇mgなら毎日食べ続けても大丈夫」という安全基準に基づき、使用基準が設けられているため、安全性も高いと判断することができます。
とはいえ、食品添加物あり、食品添加物なし、どちらも安全だとした場合に、あなたが食べたいと思うのはいったいどちらでしょう?
自然に近い形で無理なく作られた食品を食べたいと思うのは、健康を望む人であれば当然のことではないでしょうか。
私は、こんな理由から、「できる限り食品添加物をとらない生活を心がけたい」と考えています。
2-1.食品添加物は安全であっても健康ではない
食品添加物に関心があまり無い人は、健康に対する関心も希薄です。
そして、健康で何不自由なく日常生活を過ごすことができるいる人の中には、健康であることが当然であるかのように錯覚してしまっている人も少なくありません。
しかし、健康でいられることは当たり前ではないことに、病気をしてから気づいてしまっても手遅れです。
そして、安全な食品であることと、健康でいられる食品であることは、意味が全く異なります。
つまり、「安全イコール健康」ではないんです。
私たちの体は、毎日口にする食べ物によって作られています。
どれだけ安全であったとしても、健康に影響を及ぼす食品添加物は、健康な体を維持するためには避けたほうが賢明です。
2-2.食品添加物による味付けは、本当の味の真似事でしかない
食品添加物を使う理由のひとつとして、色や味をこまかし食品としての価値を高めることがあげられます。
しかし、食品添加物による味付けは、料理本来の味の真似事でしかありません。
「美味しければいい」という満足感は、レベルの低い満足感です。
美味しいという味覚の満足感とはレベルの異なる、素材本来が持つ複雑な味覚を味わう楽しみや、「本物、本質を味わう」という心の満足感を味わうためには、添加物による真似事の味付けではなく、本当の味に触れることも必要ではないでしょうか。
2-3.食品添加物を積極的に食べる理由が見当たらない
食品に添加物を加えることは、食品の賞味期限を長くしたり、見た目をよくしたり弾力を与え食感をよくするなど、いろいろなメリットがあります。
しかし、「健康」という視点で食品添加物を見た場合、積極的に体に食べたい理由は見当たりません。
特に、必要以上の保存料や着色料などは、商品を売りたい作り手の都合ばかりが見え隠れするばかりで、私たちの体にとっては何のメリットもありません。
食品添加物によって作られた食品は、作り手の努力や技術による成果と考えることもできますが、作り手によるインチキやまやかしと解釈することができることも覚えておかなければなりません。
2-4.今後、危険性が明らかになる食品添加物があるかもしれない
現在、食品に使われている添加物は、安全性が確保されていると考えられていますが、それはあくまでも「現在の判断基準」によるものです。
つまり、現在は危険性が指摘されていない食品添加物だとしても、科学技術が進化し、今後危険性が明らかになる可能性はゼロではないんです。
また、日本国内で使われている食品添加物の中には、海外では使用を禁止されているものも一部含まれており、安全性の定義が国によって異なることも、作り手重視の意図が見え隠れしています。
後になって食品添加物の危険性を指摘されても、摂り入れた食品添加物は、体からきれいに取り除くことはできないんです。
スポンサーリンク
3.食品添加物を避けたり減らしたりする方法
食品添加物を避けたり減らしたりする方法は、シーンによって大きく3つの種類に分類することができます。
- 食品を選ぶ時
- 食品を調理する時
- 食品を食べる時
そして、この3つのシーンを上手に組み合わせることによって、効果を相乗的に高めることができるんです。
ただし、どんなに素晴らしい方法だったとしても、あなたの生活スタイルによって、実現や継続することが難しい方法もあります。
これからご紹介する方法の中で、あなたに合った方法をうまく組み合わせて、無理のない上手な食品添加物との付き合い方を実現してくださいね。
3-1.食品を選ぶ時
食品添加物を避けたり減らしたりする方法の中で、最も選択肢があり効果が大きいのが食品選びです。
一般的に、添加物の少ない食品を選ぼうとすると、「無添加」とか「不使用」とはいうラベル表示に注目してしまいがちですが、ラベル表示に注意すること以外にも、食品添加物を避けたり減らしたりするためにできること、じつはたくさんあるんですよ。
- 成分表示を見て、種類の少ないものを選ぶ
- キッチンにない名称が原材料名に多く含まれている食品を避ける
- 加工食品を選ばず、素材に近い食べ物を選ぶ
- 賞味期限が長いものは避ける
- 旬のものを選ぶ
パッケージの裏側に書かれている原材料名を確認しながら食品を選ぶとなると、「名称や知識を覚えなければいけないのでは・・・」と考えてしまいがちですが、食品添加物を避けたり減らしたりするために、添加物の名称や知識は必ず必要なものではありません。
つまり、食品添加物を使う目的を裏読みするだけでも、食品添加物を避けたり減らしたりすることが可能なのです。
たとえば、食品添加物を使う目的として賞味期限を長くすることがあげられます。
つまり、強力な食品添加物を使えば使うほど、賞味期限を長くすることが可能になるんです。
ということは、同じ食品でも賞味期限が長いものは、強力な食品添加物が使われている可能性が高いと判断することができます。
また、着色料や化学調味料などをたくさん使えば、素材本来の価値では売り物にならないような粗末な食材でも、商品を美化し価値を高めることができるかもしれません。
つまり、同じ食品でも極端に価格の安い特売品などは、食品添加物によって商品が無理やり美化されている可能性が高いのです。
そして、普通の家庭のキッチンに、食品添加物はまず置かれていません。
このため、ラベルに記載されている原材料名を確認した時、キッチンにない名称が含まれていたら、食品添加物の可能性を疑ってみるのも有効な方法なんです。
なお、商品としてのごまかしが比較的難しいと考えられている野菜についても、屋外で育てられたものは農薬が雨で流されたり、紫外線により自然に分解されたりしますが、屋内で作られる野菜には、屋外で育たられた野菜に比べ農薬が残留しやすくなるなどの危険性があります。
また、比較的値段の手ごろな養殖の魚介には、病気を防ぐための「抗菌剤」や「抗生物質」が使われます。
このため、野菜や魚を選ぶ時には旬のものを選ぶことによって、価格が安い、栄養が豊富などはもちろんのこと、食品添加物や農薬のよる体への悪影響を避ける効果も期待できるでしょう。
3-2.食品を調理する時
私たちの食生活は、食品添加物を利用することと引き換えに、便利さと簡単さを手に入れています。
つまり、料理にちょっとだけ手間や工夫をするだけで、食品添加物を減らすことは簡単にできるんです。
- 自分で作れるものは自分で作る
- 調理済食品ばかりに頼らない
- 水に浸す(野菜、果物など)
- 数秒間お湯に通す(ハム、ソーセージなど)
- 下ゆでしてから使う(ちくわ、かまぼこなどの練り製品)
- しっかりと洗い流す(たくあん、白菜などのつけもの)
- ゆでた湯は必ず捨てる(麺をゆでこぼし、スープは別につくる)
食品添加物を減らすための料理の方法として基本となるのは、「手作り」にこだわってみるということです。
手作りにこだわるというと、なんとなく難しく感じるかもしれませんが、簡単なものから少しずつステップアップしていけば、手作りすることに抵抗感を感じることもありません。
たとえば、サラダに使うドレッシングなどは、キッチンにある、いくつかの調味料を組み合わせるだけで簡単に作ることができます。
そして、ハンバーグや餃子なども、時間があるときにまとめて作って冷凍しておけば、食べたい時にすぐ手作りの料理を食べることができます。
とはいえ、すべての料理を手作りにすることは、仕事と家事で忙しく時間に追われている女性にとっては、あまり現実的とはいえません。
このため、無理のない範囲で手作りできるものは手作りし、できないものは加工食品や調理済食品に頼るというバランス感覚が非常に重要です。
ただし、加工食品や調理済食品を使う際には、そのまま使うのではなく、ひと手間加えることを忘れないでください。
加工食品や調理済食品にひと手間加えるだけでも、あなたやあなたの家族が摂り入れる食品添加物の量は、大きく減らすことができるでしょう。
3-3.食品を食べる時
食品添加物を避けたり減らしたりする方法の中で、意外な盲点となっているのが、食べ方に注意することです。
つまり、たとえ食品添加物を体の中に摂り入れてしまったとしても、食べ方を工夫することで体に蓄積されないように追い出すことが可能なんです。
- よく噛んで食べる
- 食物繊維をたっぷり食べる
食べ物をよく噛んで食べることにより、唾液の分泌は活発になります。
そして、唾液には「ペルオキシターゼ」と呼ばれる酵素が含まれています。
ペルオキシターゼには、食品添加物や発がん性物質の毒性を解毒する働きがあると考えられています。
また、食物繊維には、食物に混ざった添加物やダイオキシンなどの毒物を吸収し排出してくれる働きがあるといわれています。
つまり、よく噛んで食べたり、食物繊維の多い食べ物を積極的に食べることによって、あなたの体が本来持っている解毒作用をさらに高めることができるんです。
また、よく噛んで食べることや、食物繊維をたくさん食べることは、食品添加物を減らす効果以外に、女性にとってうれしいダイエット効果も期待できます。
解毒効果もダイエット効果も期待できる食品を食べる時の工夫は、ローリスクハイリターンの健康法だといえるでしょう。
スポンサーリンク
4.まとめ
いかがでしたか?
何も考えずに、ただ漠然と食品を買い、料理をしているだけでは、食品添加物の危険性から身を守ることは難しいことがお分かりいただけたはずです。
そして、食品添加物の安全性は、健康な体を維持することとは意味や次元が異なることもご理解いただけたはずです。
あなたの体は、あなた自身が守るしかありません。
そして、万が一食品添加物の影響によって、あなたの健康が損なわれる結果になったとしても、すべては自己責任であり、厳しい現実を受け入れなければならないのはあなた自身です。
健康な体を維持するために、私たちができることは、自分のライフスタイルに合わせ可能な範囲でリスクを避けることだと、私は思います。
あなたも、ライフスタイルや価値観に合わせた食品添加物との付き合い方を見つけてくださいね。