天然だしと顆粒だしと風味調味料の原材料名の違いを調査した結果

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天然だしと顆粒だしと風味調味料

あなたは、天然だしと顆粒だし、そして風味調味料の違いをはっきりと説明することができますか。

そして、同じだしでも、それぞれのだしに含まれている成分は大きく異なるため、私たちの体に与える影響も大きく異なることを知っていますか。

お料理で使うだしは、味噌汁や煮物など多くのメニューで必要不可欠であり、私たちの日常の食生活から切っても切れない存在です。

日常的に体の中に摂り入れる食品だからこそ、私たちの体にどんな影響を及ぼすのかについて理解した上で、自分に合うだしを選びたいものですよね。

というわけで、今回は近所のスーパーで購入した、天然だし、顆粒だし、風味調味料、3つのだしの原材料名を比較し、成分の違いが私たちの体にどんな影響を及ぼすのか調査してみました。

原材料名について理解を深めることは、すべての食品を選ぶ時に役にたつ重要な情報なので、これからご紹介する内容をしっかりとチェックしてくださいね。

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1.天然だしとは

天然だしとは

天然だしとは、かつおぶしや昆布、しいたけなど、天然の食材から取れるだしです。

こんぶなど植物性の食材にはアミノ酸の一種であるグルタミン酸、かつおぶしやにぼしなど動物性の食材には核酸の一種であるイノシン酸、しいたけなどきのこの仲間にはグアニル酸という「うま味成分」が豊富に含まれています。

天然だしの特徴としては、香りがよく、うま味や栄養も豊富なことがあげられます。

うまみが豊富なので、だしだけでも非常に美味しく、余分な調味料などは必要ありません。

また、天然だしはうま味成分の他にも、食材がもっているミネラルやビタミンなども一緒に抽出されます。

つまり、天然だしは、食材のいいとこどりができる非常に効率的な食品なんです。

なお、こどもの味覚は3歳から6歳までには決まるといわれているため、味覚や舌を育てるためにも、塩分の少なく自然のうま味と栄養が凝縮された天然だしはおすすめです。

2.顆粒だしとは

顆粒だしとは

顆粒だしとは、天然だしでも使われるかつおや昆布、にぼしなどを加工し、使いやすく粒状にしたものです。

顆粒だしの最大の特徴は「手軽さ」

天然だしに比べ手軽にだしを作ることができるので、調理時間の短縮に効果を発揮し、共働きや子育てに忙しい主婦にとってはメリットの大きいだしです。

ただし、天然だしと比べると、風味が劣ります。

また、塩分も多いため、塩分の摂り過ぎには注意が必要です。

3.風味調味料とは

風味調味料とは

農林水産消費安全技術センターのホームページによると、

風味調味料は、糖類、食塩及び化学調味料を基礎原料とし、これにかつおぶし、こんぶ等の風味原料を加えたもので、調理の際に目的に合わせて簡便に風味を持った「だし」が得られるようにした調味料である。

と、紹介されています。

つまり、風味調味料とは、化学調味料プラス食材で作られた「だし」ということです。

だしとして化学調味料を使用することにより、長期間の保存が可能になったり、いつでも同じ味に作ることが出来る等のメリットがあります。

しかし、化学調味料を多量に使用することにより、チャイニーズレストランシンドロームと呼ばれる舌に痺れのような感覚が残る現象が起こるデメリットもあります。

なお、化学調味料という名称は、1990年代からうまみ調味料と呼びかえられるようになっています。

4..天然だしは、余計なものは使われていない

天然だしの原材料

天然だし、顆粒だし、風味調味料、3つのだしの原材料名を比較した結果、最も原材料名の種類が少なかったのは、天然だしでした。

当たり前のことかもしれませんが、天然だしにはかつお、さば、いわし、こんぶの天然の素材以外、余計なものは一切使われていません。

やはり、聞き覚えのある自然の食材だけで作られている天然だしは、危険性が低いことはもちろんのこと、使用する私たちに安心感を与えてくれます。

5.顆粒だしは、「化学調味料保存料無添加」と書かれているが

化学調味料保存料無添加

顆粒だしのパッケージには「化学調味料、保存料無添加」と書かれていますが、原材料名を確認すると、天然だしとは異なり、聞き馴染みのない成分も多く使われています。

それでは、それぞれの成分について、確認していきましょう。

5-1.風味原料

風味原料

消費者庁の風味調味料品質表示基準によると、

風味原料とは、節類(かつおぶし等)、煮干魚類、こんぶ、貝柱、乾しいたけ等の粉末又は抽出濃縮物をいう

と紹介されています。

使用できる食材については、いろいろな種類がありますが、天然の素材であれば大きな悪影響は考えにくいでしょう。

ただし、エキス類については、抽出の際、生成される不純物による悪影響を指摘する見解も一部あります。

5-2.酵母エキス

酵母エキス

アサヒフードアンドヘルスケア株式会社のホームページによると、

酵母エキスとは、酵母に含まれる成分を抽出したものです。

粉末、ペースト、リキッドなどのタイプがあります。

酵母エキスに含まれているアミノ酸の旨味に注目し、ヨーロッパでは古くから調味料として使われてきました。

天然物を原料としているので、安全で安心できる食品素材といわれています。

との記載があります。

なお、野菜エキスと同様に、不純物による悪影響があるとする見解もあります。

5-3.たん白加水分解物

たん白加水分解物

たん白加水分解物とは、食品にコクやうまみを与えるための天然調味料で、動物性たんばくや植物性たんぱくを酵素や酸で分解することによって作られます。

主な成分はアミノ酸とペプチド類です。

たん白加水分解物の食品としての安全性は、パルシステムのホームページによると、

製品に含まれる不純物の量が1PPM以下に抑える技術が確立され、安全性についても確認されています。

現在のところ、中毒性や依存性があるという報告は確認されていません。

という見解がある一方、コープのホームページでは、

塩酸分解法は原料の脂肪に由来するグリセリンと塩酸によって、変異原性の恐れがあるといわれる「クロロプロパノール類 (以下MCPと略)」と呼ばれる不純物が、製造工程中に微量に生成されることがわかっています。

MCPは、国際機関のJECFAの評価によると、「発がん性の疑いのある物質であり、技術的に可能な限り低減すること」とされています。

のように、クロロプロパノール類 (MCP)と呼ばれる不純物による危険性やが指摘されています。

5-4.醗酵調味料

醗酵調味料

ケーオー醗酵株式会社のホームページによると、醗酵調味料とは、

味噌・醤油・本みりん・食酢等と同様に微生物の醗酵作用を利用として製造した調味料です。

と紹介されています。

そして、発酵調味料の原料は米やとうもろこしであり、国内で一般的に言われる発酵調味料とは、みりんの一種です。

醗酵調味料の目的は、料理に甘味をつけるたり、うまみを与えたりすることであり、アルコール発酵させ、グルタミン酸ナトリウムやブドウ糖、酸味料を加えて作ります。

なお、発酵調味料として認められるためには、飲用できないようにする必要があり、酢や酢酸、塩を一定量加えることで、人が飲めないものとなっています。

5-5.デキストリン

デキストリン

デキストリンとは、じゃがいもやトウモロコシのデンプンを原料とし、加熱や酵素処理し、消化されにくいデンプン分解物を精製、分離した水溶性食物繊維のことです。

分類上は食品添加物ではなく食品として取り扱われていて、不足しがちな食物繊維を補う目的で多くの食品に使われています。

なお、安全性については、大塚製薬のホームページによると、

古くから食品に利用されてきた素材・難消化性デキストリンについて、アメリカのFDAは、1日の摂取量の上限を明確に定める必要がないほど、安全な食品素材であると認めています。また、厚生労働省許可による特定保健用食品として一定の機能表示がされており、安全であることも認められています。

と紹介されています。

デキストリンという名前から、なにやらヤバい物質では?と思ってましたが、そんなことはなさそうです。

6.風味調味料だけに使われている「調味料(アミノ酸等)」とは

調味料(アミノ酸等)

風味調味料にも、顆粒だしと同様に風味原料、酵母エキス、醗酵調味料が使われていますが、風味調味料だけに使われている原材料名としては「調味料(アミノ酸等)」があります。

では、「調味料(アミノ酸等)」とはいったいどんな成分なのでしょう。

6-1.調味料(アミノ酸等)とは

調味料(アミノ酸等)とは、いわゆる化学調味料のことで、アミノ酸、核酸、有機酸、ミネラルなどが混ぜられて作られています。

そして、主な成分は、食品添加物の代表的な存在であり、うまみ調味料として有名になったグルタミン酸ナトリウムです。

グルタミン酸ナトリウムには、塩慣れ効果と呼ばれる塩辛さを感じさせにくくする効果があります。

そして、グルタミン酸ナトリウムは体の中でナトリウムとなり、その量はグルタミン酸ナトリウム3グラムが食塩1グラムに相当するといわれているため、塩分の摂り過ぎには十分な注意が必要です。

なお、現在のところ、化学調味料が、人間に有害であるか無害であるかについての明確な答えはでていません。

ですが、食品としての安全性うんぬんの前に、化学調味料を使用した食品の不自然な味が好きではないとする意見も存在します。

7.顆粒だしや風味調味料には糖分も含まれている

ブドウ糖
砂糖類(砂糖、乳糖)

顆粒だしや風味調味料には、天然だしには使われていないブドウ糖や砂糖類(砂糖、乳糖)も使われています。

顆粒だしや風味調味料に糖類を使用する目的としては、コクを出すことなどがあげられます。

ただし、顆粒だしや風味調味料に含まれる糖分は、多量に摂取するものではないため、適量に留めれば大きな問題はないと判断できます。

8.顆粒だしと風味調味料は塩分が多い

食塩相当量

天然だし、顆粒だし、風味調味料、それぞれのパッケージには、以下のとおり食塩相当量に関する記載があります。

  • 天然だし:0.03グラム/100ミリリットル
  • 顆粒だし:0.38グラム/1.25グラム
  • 風味調味料:0.40グラム/1グラム

これらの表示内容を、使用量の目安に基づき、味噌汁1杯分(150グラム)に換算すると

  • 天然だし:0.045グラム
  • 顆粒だし:0.380グラム
  • 風味調味料:0.400グラム

となります。

パッケージに書かれているそれぞれの食塩相当量だけを見ると、あまりよく分かりませんが、同じ使用量に換算し比較してみると、天然だしに比べ、顆粒だしや風味調味料は約9倍と圧倒的に塩分が多いことが分かります。

9.最も体への負担が少ないのは「天然だし」

では、今回の調査結果から、どの「だし」を選ぶのは最も体への負担が少なく健康的なのでしょう。

天然だし、顆粒だし、風味調味料、3つのだしの中で、私が積極的に使いたいと思ったのは天然だしです。

これまでご紹介してきたとおり、顆粒だしや風味調味料は、確かに手軽で便利です。

しかし、塩分の摂り過ぎによる体への負担が大きくなるリスクはもちろんのこと、天然だしには含まれていない原材料による体への負担のリスクもゼロではありません。

もちろん、食品添加物や塩分は、過剰に摂取しなければ安全であることは周知の事実ですが、安全であることと健康で元気でいられることは同じ意味ではありません。

だから、私は、多少手間はかかっても、風味やうま味はもちろん、素材がもっているミネラルやビタミンなども一緒に採れる天然だしを選びたいのです。

また、子供がいるご家庭では、子供の舌を育てるために、天然だしは必要不可欠な存在です。

本物の味を「美味しい!」と感じられなければ、豊かな食生活などおくることなどできないと、私は思います。

10.まとめ

いかがでしたか。

一見、同じように見えるだしでも、原材料の違いによって、体への影響が大きく異なることがご理解いただけたのではないでしょうか。

そして、本来素材が持っているうま味や風味、ミネラルやビタミンなどを体の中に摂り入れるためには、多少の手間を惜しんではいけないことも、お分かりいただけたのではないでしょうか。

私は、今回の調査結果をふまえ、天然だしを使うことをオススメしていますが、すべてのお料理で天然だしを使う必要はないと思います。

あなたの生活スタイルや、その日の状況に応じ、時間に余裕のある時は天然だしを使い、時間に余裕のない時は、顆粒だしや風味調味料を使うなど、天然だし、顆粒だし、風味調味料を臨機応変に使い分けることが、最も賢いだしの使い方だと思います。

時間と健康のバランス感覚を大事にする。

今回ご紹介した情報を参考に、豊かで健康的な食生活を楽しんでくださいね。

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